ふと足元を見ると、赤い液体が流れていた。 途端に、何かがはじけた様に身体が動き、私は人混みを掻き分けて、人々の真ん中で倒れている恭ちゃんに駆け寄った。 「恭ちゃん!!」 ベチャ、と、ヒールが嫌な音を鳴らした。 そして、目のすぐ前にあるトラックの、本来は空を向いているはずの頭を見て、顔を覆った。 「……恭、ちゃん…」 血まみれになった恭ちゃんと、その血で赤くなったトラック。 聞こえてくる周りの雑音に、耳を塞いでしまいたかった。 .