「恭ちゃん、傘、持ってきた?」 「いや、何で?」 「雨降りそうな空だなって」 私がそう言うと、恭ちゃんは灰色の空を見上げて「確かにそうだな」と呟くと、 「降ってきたら家に来ればいいよ」 今度は私を見て言った。 あまりにも真剣な顔をしていたので、私は思わず笑ってしまった。 幼なじみから恋人になった関係は、今までとそう変わらない。 でも今は、手を繋いで歩いている。 些細な事でも、幸せだなって思える。 .