「うん、OFF」
「今日遊びに行かして!お願い!」
「いいけど・・・」
「やった〜!」
美味香って本当に勉強熱心だよね〜・・・
またネタ見てもらうのかな?
すると、教室のドアが急に開き、2人の男子が顔を覗かせた。
「姫野おる?」
「あ、おはようございます!どうしたんですか?」
美味香がもっとも尊敬する先輩、Campusの2人だ。
この2人は、在学1年目から3つの事務所からオファーが来ており、2年目で吉本興業と契約した凄い人達。
普通、事務所と契約するのは卒業後なのに・・・
「実は・・・今日の京都でやるトークライブのゲストに来てくれへんかな〜と思って・・・」
「・・・・・・・・・はい?」
美味香はまだ意味がよく分かっていないらしい・・・
「私が?私なんかがお2人のトークライブのゲストですか?」
「「うん」」
「凄いやん美味香!めっちゃチャンス!」
「もちろん受けるやろ?」
佳奈と夏美に返事を急かされ、美味香は動揺しながらも
「あの・・・私なんかでよければ・・・」
「決まり〜!じゃ、入り時間6時やから!」
「遅れんといてや〜!」
そう言って、2人は去って行った。
「よかったやん美味香!ついにデビューやん!」
「ここで認められたら契約できるかもよ!」
「うん!あ〜夢みたい!デビューがお2人のトークライブなんて夢みたい!」
喜び合う3人。
でも、私は見逃さなかった。
美味香が見せた・・・返事をする前に見せたあの曇った顔・・・