姫野が倒れた。
トークライブ中に・・・
トークライブは中止になり、姫野は病院へ運ばれた。
心配だった俺は、帰る支度を済ませ足早に姫野がいる病院へと向かった。
山野は別の収録があるため、一緒には来なかった。
(姫野・・・大丈夫かなぁ・・・)
俺は受け付けで姫野の病室番号を聞き、病室に向かう。
階段を上がって5、6歩進んだところで、女の子とぶつかった。
「ごめんなさい!」
それだけいい、女の子はまた走り出す。
目には涙が溜まっていた。
(今のって確か・・・)
「待て!愛海!」
近藤さんの声がした。
近藤さんは全速力で愛海と呼んだ女の子を追いかける。
全速力で走る近藤さんは俺のことが見えていなかったようだ。
(やっぱり。近藤さんの妹や・・・)
確か、天パや姫野の友達。そして、近藤さんの愛しい妹。
「愛海ちゃん・・・」
なんて言ってる場合じゃない。
俺は病室へと急ぐ。
病室には秋野さんと、寂しそうに外を見つめる姫野がいた。
「あ、浜松。来たんか」
「はい、お疲れ様です。」
「俺、あの2人心配やからちょっと行ってくるわ。姫野のことお願いしてもいい?」
「はい、わかりました。」
「じゃ、頼んだ!」
そう言って、秋野さんも近藤さんを追いかける。
姫野はまだ俺に気づかない。