「あかんって!それ、彼氏の呼び方やから!そういう人ができた時のために取っとき!」
浜松さんが優しく言う。
「でも美味香ちゃ・・・」
最後まで言い終わる前に、浜松さんが山野さんの足を思いっきり踏む
「浜松さん!山野さん、大丈夫ですか?」
「〜〜〜っ・・・」
山野さんは声にならない声をあげながら、足を抱えて飛びまわる。
「姫野、あんな奴に下の名前で呼ばせたらあかんで!絶対に!」
浜松さんが念押しする。
一体何故・・・?
「あ〜!もう!浜松!」
復活した山野さんが浜松さんを追い回す。
その姿を見ると2人とも子供みたいで・・・
「フフッ・・・」
私は思わず笑ってしまった。
「やっと笑った!」
山野さんがホッとしたように言う。
「えっ?」
「やっぱり女の子は笑わなあかんで!」
山野さんにそう言われ、また胸が高鳴る。
何でなんだろう・・・
どうしてこんなにドキドキするの?
わかんない・・・
いくら考えても全くわからない・・・
「とりあえず、案内するわ。ついといで!」
そう言って、2人は歩き出す。
遅れないように、私もついていく。
2人は学校の隅から隅まで案内してくれて、オマケにネタまで見せてくれた。