予鈴がなると担任の先生が入ってきた。
その後ろからは、顔だちの整った長い黒髪の女の子がついてきた。


目は大きくぱちっとしていて長い睫は瞬きするたびにちいさな風を起こすようだった。
歩くたびにサラサラとゆれる髪の毛はまるでシャンプーのCMみたいだ。






「今日から新しい仲間がこのクラスにきました。黒木彩(くろきあや)さんです。みんな仲良くしてあげましょうね。」

黒木彩はペコっと一礼すると空いている席へ座った







僕は黒木彩からは人が寄りにくいオーラがあふれ出ている気がした。

そのせいか転校生なのに、みんなは特に興味のないような顔をしていた。










ホームルームが終わっても黒木彩のところには、女子が2人いるだけだった。


そんな黒木彩だったがなぜか僕は興味をもっていった。


お昼の時間、僕はいつも一人で静かに食べれる屋上にいく。
今日もいつものように屋上へいくとベンチに一人の女の子が座っていた。

黒木彩だった。風にゆれる髪の毛は本当にシャンプーのCMのようだった。








僕は、あえて黒木彩とは反対方向に行き昼食をとった。


僕はできれば教室へは戻りたくなかった。行ってもどうせ、いじめられる。