「なんで転んだままぼーっとしてんだよ。」
「ちょー悔しかった」
「ほんとありえないんだけど」
「ただでさえ遅いのによお」
男子も女子も僕にあびせる言葉はおんなじだ。
そのうち本格的にいじめがはじまった。
蹴られたり殴られたり、そんなことはしょっちゅうだった。
理由はきっと僕がモゴモゴ話すからだろう。
人と会話することが苦手な僕は、人にはっきりものが伝えられなかった。
死のうとしたのは1度や2度じゃない。
高校では、そういうことがなくなると思ったのに、そうはいかなかった。
しかも中学よりも精神的にくることばかりだ。
だけどあるとき僕の白と黒だけのつまらない人生に色が少し加わった気がした。