「リュー! リュー! お願いだ、目を覚ましてくれ! うあああああっ」
カイの口から悲鳴が迸り出た。

大地の底から這い上がってくるような悲痛な悲鳴だった。

カイの瞳は瞬きを忘れ、二つの真っ暗闇と化す。そこに広がるのは深淵―絶望と言う名の深淵だ。

「うあああああっ!――……っ!!」

頬に衝撃を受けてカイの悲鳴が途切れた。

ぼんやりと焦点を結ぶ彼の視界の中で、金髪の少年が涙目で拳を握りしめている。

殴られたのだとわかった。わかったが、錯乱状態のカイは思った。この人は、誰だったろう…?

「しっかりして!! おにーさんがしっかりしなくてどうするの!!」

その声に聞き覚えがあった。そうだ、パールだ。パールが何か言っている…。

「今乙女(ファーレ)を助けられるのは、おにーさんしかいないんだよ!!」

殴られた頬をおさえて放心状態だったカイは、パールの言葉の意味を理解するなりがばりと身を乗り出した。

「助ける…? 助ける方法があるのか? どうすればいい! なんでもする! お願いだ、教えてくれ!!」

カイはパールの手を握り、頭を下げた。深く深く、握った手に額をこすりつけるようにして頭を下げた。