その後祐真はすぐに「するかよバーカ」って言いながら笑ってあたしのおでこを軽くデコピンして。



物凄く恥ずかしかったのを覚えてる。


今思っても祐真が妹みたいな存在のあたしにそんな事する訳がなかった。



祐真があたしに手を出す訳がなかった。



だからあたしはずっと追い掛けてしまうんだろうと思う。叶わない相手を追い掛けてしまうーー意地みたいなもんだろうか。




「…んでそんなにボーッとしてんだよ」




箸を持ったまま手を動かさないあたしを見て呆れた口調でそう言う祐真。



「か、考え事してただけだし」



「あっそ」



興味無さそうにそう言って祐真がまたTVに視線を戻す。