「わざわざ送ってくれてありがとね」 玄関の前まで送ってくれた朝比奈にそう言うと、「学校にバイク取りに行くついでだしな」と言って背中を向けた。 「また明日」 そう言う朝比奈に手を振ると朝比奈も珍しく手を振った。 これからのバイトの事を考えると、少しワクワクするような不安な気持ちもあるけど楽しみっていうのがあった。 違う世界が広がってきっと祐真の事を考える事もなくなるような気がする。 そんな気持ちで玄関のドアを開けると、 なんだか家の中が騒がしくて。 …嫌な予感がするんだけど。