事務所的な所を出て流れるように店長に挨拶をした朝比奈はスタスタと歩いてく。
そして忙しない朝比奈は「お前ん家どこ?送ってやる」と間もなく言った。
「…学校の近く!朝比奈もうちょっと歩くスペース落としてよぉっ、行動が速すぎて付いてくのに必死なんだって!」
若干息を切らしたあたし(16)の訴えに、全く気付かなかったらしい朝比奈はびっくりしたような顔で、
「あぁ、悪い。考えてなかった」
なんて男だ。もう少し紳士であってくれよ朝比奈君。
朝比奈の四歩後ぐらいを歩いてたあたしの隣に朝比奈が並んできて、「こーゆー所がフられる原因かな俺」となんとなく寂しそうにそう呟いた。

