寒いの苦手な癖に何してんだろうと思いながら腰掛けて、コートのポケットに入ってた手袋をして小さな雪だるまを作り始めたあたし。 身体も小刻みに震えて手も悴んでるのにバカなあたし。周りが心配するのにも気付かないいつまで経ってもガキんちょなあたし。 寒さのせいか涙まで出てきた。 「おい」 背後から玄関を開ける音と同時にそんな低い声があたしの耳に届いて。 「どーしたの祐星」 「何やってんの」 中坊の分際でそんな低い声が出るのかと感心した性格の悪いあたし。