きみにこい





悲しくてムカついてきてその光景から目を背けてママの飲んでたワインをこっそり横取りしてお酒なんか飲めもしないくせに一気に飲んでサッとママの手元に戻した。


ほろ酔い気分のママは多分気付いてない。そしてもう少したら「あら、いつの間に全部飲み干したんだろ私」とボケをかましてくるに違いない


まっず。と思いながら3回それを繰り返してあたしも酔っ払いになりたかった。



ママは酔っ払ったらフワフワした感じで
めちゃくちゃ楽しかったり悲しくなったりするって言ってた。


だからあたしの頭も何も考えられないようにフワフワしたかった。三杯飲んでも酔えない自分に気付いてもうやめた。


この場に居たくなくて「一人で雪合戦してくる」とだけ言って玄関から外に出ると、案の定雪は降り積もってて。



思ったよりずっと寒かったからコートとマフラーを取りに戻ってまた外に出た。