このあたしの特等席もいよいよ奪われる時が来たか。なんて思えるあたしはやっぱりどこか平気なのかもしれない。 それでも祐真の背中に必死で抱き着いたあたしは祐真の事が確かに好きで。 「……柚子」 「…なに」 「いつんなったら離れてくれんだよ」 「……後5分ちょーだい」 呆れた声で「それさっきも言ってーー…」言い掛けて溜め息を吐いた祐真にギュッて抱き着いたまま離れたくない。 家の玄関の前で祐真のバイクから降りずにずっと祐真に抱き着いてるあたし。 お願いだから離れたくないんだよ、祐真。