「何でもないっつのばーか」 「そうかよ」 視線をテレビに戻す祐真の横顔を見てやっぱり不安しか感じなくて。 いくら傍に居たって拭いきれないそれはあたしが現実を受け入れたって証拠であって。 どうしようもなくてやるせなかった。 「……帰るね祐真。あいらぶゆーまだよ」 いつもみたく冗談で言えた。あたしってやっぱ強い子だ。 「…最後の一言余計だけど乗ってけ」 ここで「いや」って言うのもあたしが負けを認めた気がして。祐真のバイクに乗ってたった3分の道のりを送って貰った。