「なんだよこの手は」 「寒いだろうと思って」 「お前の手のが冷てぇんだけど。自分が寒いだけだろうが」 「……ちっ」 そうですとも。寒いわ。 手が悴んで仕方ないわ。 握ってた手を離すとカイロを渡された。 どっから出てきたんだ。 「俺のカイロ。特別にくれてやるよ」 祐真のポケットから出てきたらしい。 さっすが祐真。あたしのこと大好きだろ。 なんて可哀想な妄想はさておき。