本当の居場所



口まで押さえられたあたしは、何言ってるのか全然分かんなくて。

もごもごと抵抗を繰り返す。

そんなあたしの様子を見て、優矢はやっと手を放した。


「…っもう、やめてよー!」

「うるせっ」


そう言って、もう一度手を繋ぎ直す。

優矢の温もりに弱いあたしは、手のひらから伝わる温度で、また許してしまう。

ほんと、あたしも甘いな。