本当の居場所



心の声が聞こえてしまったのか、優矢がゆっくりと振り返った。

びっくりして、あたしは足を止める。

怒っているのか、いないのか、

夕日のせいでよく分からなかった。


「おい」


優矢にいきなり呼ばれて、あたしの肩はビクッと跳ねた。

別に優矢が怖いわけじゃないのに。

優矢に嫌われるのは、怖いけど。

次に発せられる言葉に、あたしは静かに耳を傾けた。