あれから月日は流れ、あたしたちは成人を迎えた。


1月。

成人式の次の日。

あたしはある場所に来ていた。


「あーうん、そうそう」


肌寒い風が吹き抜ける中、

ここだけは落ち着いた雰囲気を残していて。

あの頃の思い出が、鮮明に蘇る。


「麻紀子でしょ? びっくりだよね!」


今より少し若かったあの頃。

すべてを全力で駆け抜けたあの日々は、

あたしたちにとってかけがえのない宝物。


誰かを傷付けて、たくさん泣いた。

誰かを愛しく思い、たくさん笑った。


どんなつらいことも、忘れられない大切な思い出。