本当の居場所



一通り泣いたあと、あたしは立ち上がった。

涙を拭って、一歩足を踏み出す。


陽人の家に、向かうため。

陽人に想いを伝えるため。


少し怖いけど…

でも逃げない。

優矢と別れた意味が、無くなってしまうから。

優矢の涙を、無駄にはできない。


あたし知ってたんだ。

あたしに背を向けて歩きながらも、優矢が泣いてたこと。

あんなにあたしを想ってくれていたのに、あたしはそれを手放した。

だから、あたしは陽人に想いを告げるしかない。