部屋に入ると、いきなり優矢の腕に包まれた。 「優矢………?」 後ろから抱きつかれているから、表情は見えなかった。 あたしを抱きしめる腕が、少しだけ震えていた。 「………怖い」 「えっ?」 「紗雪が離れていきそうで………怖い」 優矢の声が、今にも泣きそうだった。 あたしを抱きしめる力が、一段と強くなった。 それと同じように、腕の震えも大きくなった。 「あたしは……離れないよ…」 「分かってる。分かってるけど………怖いんだよ…」