「なぁー、紗雪」 「ん?」 そう言って、優矢の方を向いた瞬間 奪われた唇。 あたしはびっくりして、ずっと優矢を見つめていた。 「紗雪の唇、もーらい」 笑いながらそう言う優矢。 あたしはまだ現実から離れたまま。 「紗雪? おーい、紗雪ちゃーん」 優矢はあたしの顔の前で、手を上下に振る。 「…またキスすんぞ」 「え!?」 やっと我に帰るあたし。