「さゆには寂しい思いさせてばっかだし、不安にもさせてるし。だから、俺よりノブといた方が、幸せになれたんじゃねぇかって」
陽人がずっと、そんなことを思っていたなんて。
陽人を、不安にさせてたんだね…
あたしは陽人に抱きついた。
「あたしは陽人といた方が、幸せだよ。寂しくても、不安でも、陽人がそばにいるだけで幸せなんだよ」
震えた声で陽人に訴えかけると、陽人は片手であたしを抱きしめてくれた。
そして、もう一つの手を、あたしの手と絡めた。
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