「陽人に会いたいよー…」


高校に入り、夏服に変わった7月。

あたしは机にうなだれる。


「陽人って? 彼氏?」


高校で友達になったマコトが、あたしをうちわで扇ぎながら聞いた。


「また陽人に会えなかったの?」


あたしが答える前に、麻紀子があたしに問いかけた。


「だってあいつ、寝てたんだよ!? せっかく部活早く終わったのにさ」

「疲れてるんだよ、陽人も」

「それは分かってるけど…もう、一ヶ月も会ってないんだもん…」