本当の居場所



「帰るぞ」


そう言って

あたしの目の前に差し出された手。

見上げると

無表情だけど、少し優しい顔の陽人。


あたしはその手に自分の手を重ねるのが

なんだか恥ずかしくて。

陽人の手を見つめていると
無理矢理引かれた手。


「何モタモタしてんだよ。早く帰んねーと、二人の時間なくなんだろ」


そう言った陽人の顔を見上げると

頬を真っ赤に染めて恥ずかしそうに視線を逸らしていた。

恥ずかしさを隠すように強がる陽人が

なんだか可愛く見えた。