False love




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日和の誕生日の前の日。



美波にタワーの話したいって呼び出された。



タワーの話っていうのは多分口実だと思うけど。




めずらしく、待ち合わせの10分前についた。



美波は遅刻常習犯。



混みあってる広場の中で、



美波がくるのをまつ。



ぼーとしてると、すぐ近くに日和が見えた。




美波といるところを見られたくない、なぜかすぐそう思った。




どうしようか悩んでたら、俺のすぐ近くにいた男のもとへよってきた。




急いで死角になる位置に隠れる。




「ごめんね健ちゃん。待った?」




「大丈夫だよ。急にごめんね日和」




会話が丸聞こえ。




なにこいつらデートの待ち合わせかな。



俺も人の事言えないけど



なんか腹が立つ。




「これから暇?どっかいかねえ?」





「ごめんね、今日は無理。
はなしって?」





この“健ちゃん”の声をどっかできいたことがあると思ったら、




あの人だ、誕生日パーティーの時日和のこと好きって言ってた人。




声に特徴がある。






「日和明日一緒にいれるよな?」




「ごめん健ちゃん。ほんとにごめんね。
一緒にいたいけど、無理になっちゃったごめんね。」





「はっ!?え!?なんで?昨年から約束してたじゃん。」




何この男、重い。



向こうから美波が歩いてくるのが見えた。




「ホストか?」




「え?」




「どうせホストの彼氏と一緒に過ごすんだろ?
言っとくけど相手なんて遊びだぞ?
お前金だまし取られるぞ?
なぁ、どうしちゃったんだよ。
そんな奴と別れろよ。」





美波の元へ行くにはなんにしてもこの二人を横切らなきゃならない。



おし、覚悟を決めて。




日和は俺の顔を見た途端、



信じられないという顔をしてた。




“健ちゃん”は俺の顔を知らないから




誰こいつ?みたいな感じ。




「日和、明日こいつと過ごせよ。
俺、明日家に帰んないからさごゆっくり。」





「違うの優真、ごめんねきいて」





「じゃあね。」




そう言うと近くまで来てた美波の元へ行った。




二人の視線を背中に感じながら



美波の元へ向かう。




なぜか、後悔しか残ってない。