俺様王子様

本当に未月はあたしのオススメを買った。

「おいしーっ」

あたしはアイスを口に運ぶと自然とそんな言葉が溢れた。

「ん、まぁまぁうまいな」

「でしょでしょ⁉︎」

興奮して言うあたしに未月はぷっと吹き出した。

「朱莉っていつも美味そうに食べるよね」

「えっ?」

「毎日見てて思う」

何気ないひとことだけど、毎日見ててなんて言われると意識してしまう。

「じゃ、今度は俺の番」

アイスを食べ終わると、未月はそう言って立ち上がった。

「どこ行くの?」

「ナイショ♪」

未月はあたしの手を握った。