俺様王子様

「‼︎‼︎」

初めてのキスだったのに、こんなやつに奪われてしまった。
ほっぺたが熱くなる。

「なんか、やベーな朱莉」

「え…?」

「その顔。俺のこと誘ってる?」

「そんなわけ…!」

ないでしょ、と言おうとする前にまた未月に唇を塞がれた。

「んーっ」

じたばたしてみるものの、未月の力には叶わない。

「朱莉の唇熱い」

「…やめてよ!」

あたしは未月を突き飛ばした。

「…初めてのキスはこんなんじゃないと思ってたのにっ!」

あたしは自分の部屋に閉じこもった。