寮に戻って、さっきのことを思い出した。

(ふふっ。初めて告られちゃった!…なんか憧れてた学園生活って感じ♪)

「…何ニヤけてんの?気持ちわりぃ」

るんるんしていた気分に、水を差すような未月の声。

「べっ、別にニヤけてなんかないし」

「ふぅん。…俺、風呂入ってくるわ」

「はーい」

「…一緒に入る?」

「だっ!誰があんたなんかと!」

あたしがそう言うと、笑いながら未月はバスルームに消えて行った。
あたしは、そんな未月の後ろ姿を見つめた。

別に、告ってくれた子のことは嫌な感じはしなかった。
すぐに付き合うのはさすがに無理だけど、お友達から始めることだってできたのに。
それなのにあたしは断ってしまった。
突然のことでびっくりしたのもあったけど、なぜか未月の顔がちらついてしまったのだ。