「この先を登ったとこだよ」


陽介のおじいちゃん家をすぎると、少しだけ長い一本道の坂があった。


10分ほど歩くと、大きな倉庫が見えた。


それを見つけると、陽介は「あれだ!」と言って走り出した。


みんなもその後に続いて走った。



倉庫の前に着くと、



「じゃあ、いくぞ」


陽介がそう言うと、みんなはコクりと頷いた。



ガラッ!


勢いよく扉が開いた。



「う、わぁ……」


「す、すげーな……」



倉庫の中は、少し前まで使われていたとは思えないほどキレイで、みんな言葉を失った。



真ん中には丸い大きなテーブルが置いてあり、そのテーブルを囲むように、5つほど小さなイスが置かれていた。



「俺たちの秘密基地にするって言ったら、じぃちゃんが作ってくれたんだ!」


すごい……


そこは、小学3年生の秘密基地とは思えないほど、とてもよくできていた。