~6年前~



「みんな!聞いてくれ!」


バカでかい声でそう言ったのは、小野寺陽介。



「じぃちゃんが、もう使ってない倉庫があるから好きなように使えって!」


「それじゃあ……」


みんなのキラキラした目が陽介を見た。



「そこを秘密基地にしよう!」


「やったー!」



小学3年生の頃の私たちの間では、秘密基地というものを作るのが流行っていた。


そこで、どこかいい場所を探していたところ、陽介のおじいちゃんが使っていた倉庫が私たちの秘密基地になることが決まった。


「場所はじいちゃん家の近くだ!」


陽介は、私たちの先頭をきって歩きだした。