秘密基地






それは、あたしたちがいつものように遊んでいるとき。


みんな鬼ごっこに夢中で走りまわってて、気がつくと知らない場所にいた。



「ここ……どこ?」


百合が不安そうに言う。


「俺……こんなとこ来たことないよ」



道に詳しい裕真でも知らない、全く見たことのない場所。


周りには木。それ以外何もない。


木に覆われたそこは、時間がたつにつれだんだん暗くなっていく。


「どうしよう……俺ら迷子になったんだ……!」



蒼太が泣きそうな声でそんなことを言うから、みんなの目にもだんだん涙が浮かんでいく。



「うぅ……こわいよぉ…」


あたしは我慢するものの、目には涙がたまっていく。


「みんな泣くなよ!きっとなんとかなるよ!」


陽介が、泣きそうになるあたしたちを励まそうとする。