「志乃ちゃんはやっぱり賢いなぁ。」


首を鳴らし
ケラケラと笑い続けるヨウタに
自分の憎悪が細胞を埋め尽くして行くのを感じる。


「そう?
ありがと」


にこりと微笑み、不味い不味い黒い液体を眺める。

同じ色彩が今
あたしを彩っている。




「よくわかったね
俺がヨシノと別れたがってたって。」


「たまたまやけどな。」





もう此処に
あたしの焦がれた人は


居ない。