何度も振り向きながら去るヨシノを眺めながら
カランカランと又、懐かしくもないのに懐かしく感じる鐘の音が鳴り止むのを待ち

煙草に火をつけた。



「すいません、コーヒーおかわり。」


不味いそれを注文すると
まだ新聞に向かい合っていた店主を見て有ることに気付く。


しかしあたしは黙って煙草を口に当て
深く吐き出す事に専念した。