「暑いね~」
「あっ、離れたほうがいいですかね…」
「それはダメ!花音ちゃん落ちそうだからね!」

先輩は気ままでいいな~。
あたしは凄く悩んでるのに。
ずっと抱き着いてたら心の底から暑くなってきた。

「先輩…」
「ん?どうしたの?」
「…なんでもないです!」
「そっかぁ~。もうちょっとでつくから!」
「頑張ってください!」

溢れちゃいそうで怖い。
溢れたらもう、こんなことできなくなりそうで。

きっと元には戻れない。

一緒に海も行けないし
一緒にかき氷も食べられない
くだらない話で笑い合ったりもできない

きっとそんな他人のような関係になってしまう。

「先輩って、好きな人とか…いるんですか?」
「うん!」

ですよね。

「花音ちゃんは?」
「え!」

いきなりで動揺してしまう。
しかも好きな人が先輩だなんて、言える訳がない。

「あたしもいますよ。…でもきっと叶わないです。」
「…叶わないとか決めつけちゃダメだよ~!花音ちゃん可愛いしさ?」
「…」

もう。
諦めようとしてるのに、なんで先輩は煽ってくるんですか?

でも、もう少しだけこんな関係もいいと思った。