「花音ちゃんのも頂戴!」
「え」

間接キスになっちゃいますよね?
そこだけ切り取って食べてても結局食べなきゃですよね?

…てか先輩はいいの?

「花音ちゃん顔真っ赤だよ~!可愛い~!間接キスとか考えてた?…図星~っ!?」
「そっ、そうですけど。先輩はいいんですか?」
「なにが?」
「…あたしなんかと、間接ですけどちゅーなんかして。」
「なにがダメか分かんないよ!はやく頂戴♪」

あたしはこんなにドキドキしてるっていうのに。
先輩はいつも通り。

あたしのこと、ただの後輩としか思ってないからだよね。

「ん~…美味しいねー!暑い夏のかき氷っていいね!」
「それはよかったです。」
「はい!花音ちゃんも!あ~ん」
「は!?」

あ、先輩に
は!?
とか言っちゃったよ。
いや、それが普通の対応だろう。
あ~んとか…

「はやく口開けてー?溶けるよー?」
「いや、あの、あ、大丈夫です」
「意味わかんないよ!?」
「えーと…」
「じゃあ!自転車の荷台に乗せてってくれてる優しい人は誰?」
「せ、先輩です…」
「よろしーい!じゃあ食べて?」

えええええええええ。
でも…食べるしかないよね。