「…忘れてたくせに」
「そのことは謝ります」
だって、待っても待っても迎えに来てくれなかったんだもん。
見えない相手を想って傷つくより、現実的な恋をしようって逃げたのは星司お兄ちゃんには悪いなって思うけど。
これだけは言わせて欲しいです。
来ないんだから、忘れたくもなるよ。
「僕も、ずっと好きだったよ」
「…ほんと?」
「こんなとこで嘘ついてどーすんのさ」
「~~~っ嬉しい!」
叶った。
わたしの恋が12年越しに叶ったんだ。
わたしの初恋が叶ったんだ。
必死にお星様に願っていたあのときのわたしに教えてあげたいな。
『ちゃんと彦星様が迎えに来てくれるよ』って。
これからは、年に一度でもなく、また何年も離れることもなく、ずっとずっと一緒にいれるんだね。
それだけで、素敵な誕生日プレゼントだよ。

