SHE IS MINE(2014年七夕短編)



「へ…」


本当に真っ赤なルージュでも、重いタバコでも、ピンヒールでもないの!?


《ぷっ、なにそれ》


星司お兄ちゃんは笑っちゃってるし。


《やっぱりわたしの勘違い?》


《勘違いもなにも、僕、勘違いさせるようなことした記憶ないんだけど》


《ぬー…》


《好きでもない子にキスなんてしないし》


《ひゃっ》


《で、織賀ちゃんの返事は?》


《わかってるくせに…。意地悪ですね》


《だって、聞きたいじゃん》


じゃんって、かわいいなおい。


かわいさに免じて言ってみてもいいと思ってしまうわたしは、星司お兄ちゃんに甘いのかな。


そんなことを考えていると、キャンディが口の中で消えた。


「好き。ずっと好きだったよ。離れてたときも、好きだった」