《4歳の織賀ちゃんが食べたキャンディと同じ成分が僕の体内にも残っているんだ》
「へえ…」
へえとか言ってみたけど全然わかんないや。
《織賀ちゃん、喋らなくても君が考えていることは僕に筒抜けだよ》
「うっ」
星司お兄ちゃんは慣れてるかもしれないけどわたしは初心者だもん。
でも、そういうことは、わたしも星司お兄ちゃんの気持ちをわかるってことだよね。
「ぬー…」
《織賀ちゃん》
《はい?》
《どう? 僕の気持ち、わかった?》
どう? って言われても、ねえ…。
《…さっぱりです》
《一回しか言わないから、ちゃんと聞いててね》
《うん》
《好きだよ、織賀ちゃんのこと》

