SHE IS MINE(2014年七夕短編)



「………!」


突然口の隙間から星司お兄ちゃんの舌とともに何かがねじ込まれた。


口の中に入ってきたものに混乱していると、キスが止まった。


口の中にあるもの舌で転がして確認すると…。


「飴ひゃん(ちゃん)…?」


《そうだよ》


「ん?」


耳に響いたのは、星司お兄ちゃんの甘い声。


でも、なぜか目の前にいる星司お兄ちゃんは口を開いていない。


もしかして、腹話術とか!? すごーい!


《ハハッ、面白いこと言うなあ、織賀ちゃんは。腹話術なわけないじゃん。テレパシーだよ》


「テレパシー…?」


あ、そうか!
さっき口に入れられたキャンディは例のテレパシーができるようになるキャンディってことね。


でもなんで、わたしまで星司お兄ちゃんの声が聞こえているの?