次の瞬間。
一瞬だけ、唇が重なってすぐに離れた。
思考が完全にストップし、わたしは目をパチパチとすることしかできなかった。
「ハハッ、織賀ちゃん顔真っ赤でかわい~」
「な、なんで」
なんでキスしたの?
「だから言ったでしょ、“運命の再会”だって」
「もう少し具体的にお願いします…」
ちゃんと言葉にして欲しいって思うのが、乙女ってモンよ。
「もっかい」
「ハァッ!? んっ」
もう一度降ってきたキスにびっくりした。
さっきのキスとは違って、何度も何度も、ついばむようなキス。
でも、全然乱暴だとは思えない優しいキスだった。
完全に体を、唇を星司お兄ちゃんに委ねたときだった。

