SHE IS MINE(2014年七夕短編)



次の瞬間。


一瞬だけ、唇が重なってすぐに離れた。


思考が完全にストップし、わたしは目をパチパチとすることしかできなかった。


「ハハッ、織賀ちゃん顔真っ赤でかわい~」


「な、なんで」


なんでキスしたの?


「だから言ったでしょ、“運命の再会”だって」


「もう少し具体的にお願いします…」


ちゃんと言葉にして欲しいって思うのが、乙女ってモンよ。


「もっかい」


「ハァッ!? んっ」


もう一度降ってきたキスにびっくりした。


さっきのキスとは違って、何度も何度も、ついばむようなキス。


でも、全然乱暴だとは思えない優しいキスだった。


完全に体を、唇を星司お兄ちゃんに委ねたときだった。