SHE IS MINE(2014年七夕短編)



「なんか、すごいですね。そのキャンディ」


「ん。だからナンパ現場目撃したときは“運命の再会だ”って思ったよ」


へ、運命の再会って、わたしとってことだよね?


運命の再会をした相手が、ずっと星司お兄ちゃんが好きだった人で。


真っ赤なルージュをつけた人じゃなくて、重いタバコを吸う人でもないってこと!?


つ、つまり、両想い!?


えっ、じゃあ、わたしが勝手に失恋してたってことか!


あんなに胸をいたくした意味ないじゃん!


りりりりりりりりりり、両想い!?


どーしよ!


「織賀ちゃん…」


「………!」


星司お兄ちゃんに名前を呼ばれ顔をあげると、彼のきれいな顔がわたしの方に近づいてきた。


時間の流れが変わったと錯覚しそうな程に、ゆっくりゆっくり顔がこっちに迫ってきた。