静まり返る音楽室…
ガタガタとまだ震えている身体。



カツ…カツ…



カツ…カツ…



ゆっくりと、神宮寺誠が近付いてくる──…

制服がはだけた私の前で、彼はソッとかがんだ
「大丈夫…?じゃ、ないか…」

彼は震えの止まらない私を見てそう言った


安堵と恐怖から涙が溢れ出てくる

みっともない──

かっこ悪い──

やだ、見ないで──…!


消えてしまいたい。そう思った時だった──…

ふわっ…

え?身体が宙に浮いてる

「立てる?」

彼が私の身体を起こしてくれたんだ

「だいっ…っく…じょ…ぶ。
自分っで……立てる…から」

こんなみっともない所みられるなんてっ…
早くこの場から立ち去りたい

支えてくれていた彼の手を振り払って
自分で立とうとした時──…




ガクン──…

「っ…!?」

膝が震えて立つ事が出来ずに
崩れ落ちた───…

ポスンっ

「──…っと」

何がなんだか分からないまま
身体に温もりを感じた

気がついた時には彼の腕の中。


きゃしゃだと思っていた彼の腕は意外にも頼もしくて、暖かくて…

軽々と私の身体を支えていた

密着する身体

吐息がかかるほどの至近距離に彼の顔




ドクン…ドクン…

なに?胸の鼓動が早く、熱くなる



心臓の音が聞こえてませんように──