「…」


「話したくないなら無理にいわなくていーよ…?」


「…俺、ちいさいとき、親父に殴られたことがあってさ。親父、酒癖悪くていっつも俺やお袋に暴力ふるってたんだ…」



「でもうちのお母さんなんにも…」



「秘密にしてたんだろ。」


「…」



「…俺、親父が許せなくて許せなくて…。小さかった俺ができることなんてなくて。でも、一つ決めたことがあったんだ。俺がお母さんを守るんだって。心に誓った。それから俺は、ずっと頑張ってきた。親父とは別居することになって、これでやっとって思った。けど、うちは貧乏でなにをやるのもダメで。だから俺は勉強も頑張った。けど、俺無理だった…。なんもできない、どーしようもないんだよ、俺…」



「那月…」



那月が悲しそうな悔しそうな顔をしてる