昨日も一人で帰った。
まあ、寂しくはないけど、一回誰かと帰ってみたいとは思う。

「柚香、昨日何もなかったか?」
「うん、大丈夫だったよ。」
「そうか。」
翔也はほっとした顔をした。

「心配してくれたの?」
「そ、そりゃあ〃」
照れた顔をした。私は心配してくれたことが嬉しかった。

「そういえば、どうして六年生のとき引っ越したの?」
「ああ。親が死んだから。」
知らない事実だった。
「ごめんなさい。変なこと聞いちゃったよね…」
「いや、いつか柚香には言おうと思ってたし、その後は田舎でおじさんとおばさんの家で暮らしてたから。大丈夫だよ。」
「翔也…。」
でも、悲しかったよね。

「でも、今は一人暮らししてるし。」
「あの、私に出来ることがあれば言って!それに、また私の家来てもいいからね?ご飯も食べていっていいからね?」

「…ありがとう。柚香…」
翔也は微笑んだ。