「喋りに行きなよー!」
「そ、そんな……。」

小学6年で、親の都合で遠くに行ってしまった翔也。五年ぶりの再開だった。

心臓のドキドキが止まらない。覚えててくれてるのだろうか。それが心配だった。

「あ、あの…。」
恐る恐る声を掛けた。
翔也がこっちを向いた。
「柚香…。」
久々の翔也の声を聞いた。少し低めだが、まだ幼さが残っている声だった。
久々の聞いた一言が自分の名前だったこともあり、ドキドキした。

「覚えててくれたの?」
「もちろんだよ。」
と、微笑んでくれた。私はこの上ない幸せを感じた。