それは、ある噂から始まった。

「ねえ、知ってる?5組に新しい人が来るんだって!しかも、男の子♪」
「それって、私達のクラスじゃん!」
「いいなー!」

そんな会話を耳にした。
「香織ちゃん、私達のクラスだね。」

「そうだねー。イケメンかな?」
少し楽しそうだ。

「ま、俺にはかなわねーな!」

「的場は黙ってて!」
二人の会話を聞いていると、

「席に着けー!」
先生がやってきた。
「みんなもう知ってると思うが、、」
「先生ー!転校生っすよねー?」
ある子がそう言った。そう言うとみんなが笑った。
「そうだよー。仲良くしなさい。入って。」

私達はドアの方を見た。

「うわー!イケメンー!」
「名前なんていうのかな?」

その中で私は戸惑いを隠せなかった。

「どうしたの?ゆず?知り合い?」
香織は、そのあとハッとした。
「まさか?あの子が?!」
そう。一番会いたかった、誰よりも大切な人。
矢能翔也だった。