保健室の匂いがした。
あ、そうか。私、何か頭にぶつけて…。
気を失ったんだっけ…?

目をゆっくり開けた。


「柚香。」

大切な人の声がした。
顔を左に向けると翔也がいた。

「翔也……」

柚香は微笑んだ。

翔也も笑顔になった。



「心配かけてごめんね。」

「ううん。無事でよかったよ。」

「私、なんで気を失ったのかな…。」

「鉄の棒が頭に直接当たったんだって。」

「そう…なんだ…。」


「一応念のために後で病院に行っといたほうがいいって。保健室の先生が言ってた。」

「うん。そうする。翔也も…。」

柚香は少しためた。

「翔也もついてきてくれる?」



その言葉に翔也は微笑んだ。