体育祭ーーーー
「翔也は何色?」
「青だった。柚香は?」
「赤だよ。別だね。」
少し残念な気持ちだった。
「あ、そうだ。私、午後から救護の方行くから、用具係のことで何かあったら来てね。」
「うん。分かった。」
グラウンドに向かい、開会式が行われ、いよいよ体育祭が始まった。
香織ちゃんと一緒の色だったので、二人で応援したり、盛り上がったりした。
すると、同じ学年の色の女が、
「柚香ちゃん、知ってた?」
「?」
「午後からね、男子全員でピラミッドやるんだって!怪我がなければいいのにね。」
「そうだね。」
翔也も怪我をしないように……。
柚香は心の中で祈っていた。
青組ーーー
「残念だったな。翔也。桜木と一緒になれなくて。」
的場はからかってくるように言ってきた。
「剛にも、そのまま言葉を返すよ。」
的場はその意味が分かったのか、
「ちげーよ!べ、別に香織がいなくたって、いいんだ。おまえと違うんだっての!」
的場は照れてるようだった。
「こっちで見守ろうよ。」
翔也は赤組を見つめていた。
「………そうだな。」
的場も赤組を見つめた。