香織ちゃんが言っていた女の子も用具係としていた。
「柚香ー。これ、運んでくれる?」
バスケ部の引退したあゆの先輩が頼んできた。
「はいっ!」
元気に返事をし、大きいダンボール二つを渡された。
意外に重かったが、部活の片付けなどで慣れていた。
「ねぇ!手伝おうか?」
マネージャーの女の子が言ってきた。
「え、いいの?」
「うん!いいの、いいの!貸して!」
彼女の名前は左藤なずなというんだそう。
優しくて頼りになるなと思った。
「柚香ちゃんって、矢能くんと仲良いよね。」
「翔也は幼なじみだからね。」
「ふーん。じゃあ、私が矢能くんとっていいの?」
「え……」
なずなちゃんは妙なことを言った。